自然環境保全基礎調査は、我が国における自然環境の現況を把握し、自然環境保全を推進する基礎資料を整備するため、環境省が1973年より実施しているものです。このうち昆虫類を対象とした全国的な生息分布調査は、1978年の第2回基礎調査より実施されています。近年、昆虫類では絶滅危惧種が増加し、里地環境ではチョウ類等の減少が報告されるなど、昆虫類の生息環境の悪化が懸念されています。一方で、身近な自然に生息する普通種も含めた昆虫類が注目されており、これらの昆虫の分布や生息状況等の基礎情報を把握することは、環境保全を推進するために重要です。この調査では、我が国の昆虫類を対象に生息分布情報を集め、近年の昆虫類の分布状況を把握し、過去の結果との比較等により、昆虫類の現状やとりまく課題等を明らかにすることを目的としています。