いきものログ

タンチョウ

脊椎動物門   鳥綱   ツル目   ツル科
タンチョウ Grus japonensis
分布
北海道(繁殖)
アムール・ウスリー(繁殖)
中国・朝鮮半島(越冬)
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 タンチョウは通称「ツル」の名で広く知られ、折り紙の「折り鶴」や、「鶴の一声」のような言い回しに残るなど、昔から日本で親しまれている動物のひとつです。タンチョウは日本で繁殖する最大の鳥で、国内では北海道に分布しています。国外では極東のアムール地方を中心に東アジアに広く分布しています。1952年には国の特別天然記念物に指定されています。
 体は約1.4m、翼を広げた長さは2.4mと巨大で、オスはメスよりやや大きな体をしています。頭頂は皮膚が赤く露出していて、顔から喉・首にかけてと風切羽の一部は黒色、それ以外は全身白色です。くちばしは長く黄褐色で、脚はとても長く黒色です。
 大陸の個体群は1,000km以上の渡りを行いますが、北海道の個体群はあまり移動せず、繁殖地と越冬地の移動距離は最大でも150km程度です。食物としては魚類、カエル類、水生昆虫、タニシ類、エビ類などの水生動物や、穀類、草本の種子や茎など広範囲です。2月下旬から4月上旬にかけて湿地上で営巣・産卵し、1~2卵を産みます。4月下旬からふ化が始まり、ヒナはふつう数日で巣を離れます。8月下旬から9月上旬には飛べるようになります。
 かつては北海道全域に生息していたものと考えられていますが、明治維新後の開拓によって生息地の湿原が開発され、一時は絶滅したと考えられていました。1952年に道東の湿原で、33羽が確認され、その後、環境省の保護増殖事業による冬季の給餌等によって数を増やし、2018年年には約1,640羽が確認されています。しかし、新たな問題もおこっています。今までの手厚い保護によって人への依存が進み、冬季の給餌なしでは個体群の維持が不可能になってしまっているのです。野生生物と人との関係を考えていかなければなりません。

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