いきものログ

ミヤコタナゴ

脊椎動物門   硬骨魚綱   コイ目   コイ科
ミヤコタナゴ Tanakia tanago
分布
栃木県・千葉県
ランク
絶滅危惧IA類(CR)
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 ミヤコタナゴは小型のタナゴで、通称ミョーブタ、ジョンピー(千葉)、ベンタナ(群馬)、オシャラクブナ(栃木)などと呼ばれています。分布域の狭さと急激な減少により、1974年には天然記念物に指定されました。また、栃木県大田原市の生息地は種の保存法「羽田生息地保護区」に指定されています。
 大きさは50mmほどで、1対の口ひげをもちます。オスの婚姻色は独特で、背側は青紫色、胸腹部は朱色、背ビレは白色、腹ビレ・尻ビレは白・赤・黒色の帯に鮮やかに染まります。また、本種をふくむタナゴ類は二枚貝の中に産卵するため、メスは非常に長い産卵管をもっています。
 ミヤコタナゴは平野部の小川や、湧き水のある池や沼に生息していて、やや流れのあるところを好みます。おもに水草や珪藻類を食べものにしますが、小型の水生昆虫も食べます。繁殖期は4~7月で、この時期になるとオスは産卵母貝になる二枚貝の周りに強いなわばりを形成して、メスを誘います。メスは1回の産卵で、1卵~3卵をマツカサガイやドブガイに産み込みます。貝の中でふ化した稚魚は20日前後で9mmほどになり、貝から泳ぎでます。
 かつては東京都内にも記録があり、関東平野に多く生息していました。しかし、平野部の都市開発や河川改修工事はいちじるしく進み、生息域は極限され、現在知られる産地は栃木、千葉の一部だけになってしまいました。近年では外来種であるタイリクバラタナゴ、オオクチバスの侵入に加え、愛好者等による密漁が本種の減少を加速しており、いずれの生息地も厳しい状況にあります。
 環境省では保護増殖事業を実施しており、生息環境の改善を図るとともに、生息域外での繁殖・保存や外来種の駆除などを行っています。

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