いきものログ

フサヒゲルリカミキリ

節足動物門   昆虫綱   コウチュウ目   カミキリムシ科
フサヒゲルリカミキリ Agapanthia japonica
分布
北海道・長野県・岡山県
ランク
絶滅危惧IA類(CR)
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 フサヒゲルリカミキリは触角の長いカミキリムシ類のなかまで、大きさ16mm程度、体は全体に金属光沢のある紫藍~緑藍色で非常に美しい色彩をしています。名前の示すとおり触角にはよく目立つ「房ヒゲ」を生やしています。
 生息地は高原の湿性草地で、成虫は6~8月、ユウスゲやショウブ類の開花期に現れ、これらの葉の分かれ目の縁をかじって食べます。幼虫はこれら草の茎に穿孔します。一般に幼虫が朽ち木などの木材に穿孔することの多いカミキリムシ類の中、本種は草に穿孔する特殊な生活史を持っています。このため、昔から湿性草原の少なかった日本ではもともと珍しい昆虫でした。
 これまでに生息が確認されている地域でも、近年記録のまったくない地域や生息環境自体がなくなってしまった地域が少なくありません。もともと湿性草原は不安定な環境で、時間とともに遷移、乾燥化し、森林に飲み込まれてしまう運命にあります。しかし、また別の場所で同じような環境が生まれ、本種自体もこれに合わせて移動しながら現在まで生きながらえており、森林にもこれを支える余裕がありました。ところが、近年では草原環境は真っ先に開発・造成の的にされ、すさまじい勢いで草原の消失がおこっています。また、林道やスカイラインの建設により、森林の乾燥化がいっきに進むことにより草原環境はますます減少し、本種はますます幻の昆虫になりつつあります。

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