いきものログ

デンジソウ

シダ植物   デンジソウ科
デンジソウ Marsilea quadrifolia
分布
本州・四国・九州
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 デンジソウは多年生の夏緑シダで、四つ葉のクローバのようなかたちをしています。小葉が田の字形に並ぶため、「田字草」と名前が付けられました。このシダは低地の水田や池、沼などの湿地で生活をします。
 地味な植物で、園芸目的の採取の心配はありませんが、人間の生活のさまざまな影響で生育地が減少しています。除草剤がまかれ水質が変化し生育できる環境がなくなったり、土地造成や水田を利用しなくなったりすることによって、生育地そのものが消滅することもあります。デンジソウは雌雄両方の胞子を含んだ胞子嚢果(ほうしのうか)という袋をつくります。この胞子嚢果の殻は硬く、乾燥にも強く、20年以上も生きていられるといわれています。胞子からの発芽のためには適度なかく乱がある湿地が好ましいようで、デンジソウにとっては、水田のように利用され続けている環境が必要です。このシダは地下茎を枝分かれさせて栄養繁殖することができます。栄養繁殖とは、花粉や胞子を利用することなく、植物の体の一部が親の体から離れ、そこから生長することができるという、植物の繁殖方法のひとつです。しかし、胞子嚢果にせよ栄養繁殖にせよ、自然状態で簡単に広く散布されるとは考えにくく、それぞれの水田や水路の水系ごとに異なった遺伝子をもっている可能性があります。保護の目的で栽培し増やしたものを、採取した場所以外に戻してしまうと、それぞれが地域ごとにもっていた種の遺伝子の独自性を無くしてしまう危険性があります。
 36府県で生育していたデンジソウですが、2007年の調査において、そのうち11県では生育が確認されませんでした。

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