いきものログ

オニバス

被子植物   双子葉類   離弁花類   スイレン科
オニバス Euryale ferox
分布
本州(新潟県が北限)・四国・九州
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 オニバスは大きな葉が水面に浮かぶ1年草です。日本に自生する1年草としてはもっとも巨大なもので、円形の葉は直径が1mから、さらに大きくなると2mをこえることもあります。花はピンク色で8月から10月に咲きます。オニバスは、家庭排水や肥料の流れ込みによってやや富栄養化(チッソ、リン、カリウムなどの栄養塩類が増えた状態)した堀や、農業用のため池などの人工的な環境にも生えます。しかし、ため池は宅地化や工場の建設などによって、水田とともに減少しました。都市近郊に残った池では、富栄養化がさらに進みアオコが発生し、オニバスと一緒にヒシやウキクサなど他の植物までも生育できなくなってしまったところが少なくありません。また、池の景観維持のため、ソウギョを放し、水草を駆除している場所も多くなっています。
 オニバスは水面に現れる普通の花とは別に、水中の閉鎖花をもち、小さなつぼみのうちに自家受粉して確実に結実し、種子を残しています。この種子は何年もの間水底の泥の中で生き延びることができます。何年もオニバスが見られなかった池で、突然オニバスが出現するのは、何かをきっかけにして土中の種子が芽をだすためです。水のある環境が埋め立てられず、生育可能な環境が回復すれば、オニバスはよみがえる希望があります。東京都では葛飾区の水元公園が唯一の自生地で、都の天然記念物に指定されています。

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