いきものログ

マイヅルテンナンショウ

被子植物   単子葉類   サトイモ科
マイヅルテンナンショウ Arisaema heterophyllum
分布
本州・四国・九州
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 マイヅルテンナンショウは地下に球状の地下茎をもつサトイモ科の多年草です。サトイモ科の仲間には、ミズバショウやコンニャクがあります。この仲間には仏炎苞(ぶつえんほう:ミズバショウの白く筒状の花のように見える部分)があり、種類によって形や色が異なります。マイヅルテンナンショウの仏炎苞はふつう緑色で一部紫色を帯び、先は尾状に伸び鋭く尖ります。6月になると、仏炎苞に囲まれた中心に穂状に集まった小さな花が咲きます。小型の株では雄花だけが、大型の株では上部に雄花、下部に雌花が集まって穂をつくります。花序の先は仏炎苞からとびだし、ムチ状に上へむかって長く伸び、長さ20~30cmにもなります。葉は1枚で、鳥足状に分裂し、17~21枚の小葉をひろげます。中心の小葉はその両側の小葉よりも極端に小さいため、他のテンナンショウ属との区別が容易です。和名のマイヅルテンナンショウは、この葉と花序の様子を鶴が舞っている姿にたとえたものです。
 マイヅルテンナンショウは、河畔林の林縁や山地の池の周囲など、低地の湿った草地を好む植物です。しかし、そのような場所の多くでは河川改修やゴルフ場建設によって改変され、その結果自生地そのものが失われ、絶滅しています。現在、九州、四国、秋田県以南の本州に点々と分布していますが、九州以外では数ヶ所に残存しているにすぎません。また、この植物は日本以外にも、アジアの暖帯から温帯にかけて広く分布していますが、どこの国でもさまざまな環境破壊が理由で発見が困難になっているようです。

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