いきものログ

エビネ

被子植物   単子葉類   ラン科
エビネ Calanthe discolor
分布
北海道・本州・四国・九州
済州島
ランク
準絶滅危惧(NT)
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 エビネは常緑多年生の地生ランで、落葉樹林やスギ人工林の林下に生育します。花期は4月から5月で、日本のランでは比較的大型の直径3~4cmの花をつけます。色は茶褐色から緑褐色の渋い色をしています。エビネには、近い仲間としてキエビネ、キリシマエビネ、オオキリシマエビネなどがあります。一般にはそれらを総称して「エビネ」と呼ばれることが多く、この4種の間の交雑から多くの園芸品種が生まれています。エビネの花の色にはさまざまな変異がみられるため、その魅力によって大量の盗掘株がでまわっています。日本の野生ランの中では、もっとも普通に見られる種のひとつであったエビネは、乱獲による個体の採取が存続の大きな脅威となっています。
 乱獲によって個体数の激減した自生地でも、生育環境が残されている場合が多いため、採集をやめれば個体群は復元できると思われます。しかし、栄養繁殖でのエビネの増加率は、良い環境でも10年に2倍程度、種子から花が咲くまでに生長するには自生状態で5年以上かかると推定されます。時間がかかっても自然環境を良好に保つことでエビネは増加するはずです。また、エビネ類は種子の無菌培養による増殖が成功しているので、園芸的な需要に応えることが可能です。園芸的につくられたものを山採り株より安く供給することができれば、乱獲の脅威も減ることが期待されます。

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