いきものログ

マリモ

アオサ藻綱   シオグサ目   アオミソウ科
マリモ Aegagropila linnaei Kütz.
分布
北海道・本州中部以北
北半球の温帯から亜寒帯
ランク
絶滅危惧I類(CR+EN)
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 マリモは普通、糸状体が岩などに固着しないでゆるやかな群体をつくり、じゅうたん状のやわらかい塊になっています。北半球の温帯から亜寒帯にかけ分布するなかで、球状に成長するのは北海道の阿寒湖だけです。直径6cmの野球ボール大になるのに、150年から200年を要するといわれるほど、非常に生長に時間のかかる藻類です。
 1952年、阿寒湖ではマリモが特別天然記念物に指定されました。毎年100万人以上もの観光客が訪れ、それにともなう温泉街の発展や土木作業によって、いくつかのマリモの群体が減少や消失をしてしまいました。最近では湖畔の温泉街に下水道を整備したり、平成21年には「阿寒湖のマリモ保全対策協議会」が設立され、調査や保全対策が講じられるなどして、町ぐるみでマリモの保全をしています。
 近年、天然記念物に指定されていない湖のマリモを、ちぎってばらばらにした糸状体をゆるく丸め、培養液中で回転させることにより、人工のマリモをつくることができるようになりました。この人工のマリモをつくりだした人たちの真の目的は、阿寒湖からのマリモ盗採防止であったといわれます。人工のマリモは中心から放射状に配列する糸状体がなく、不規則に絡み合った糸状体でできています。そのため、売られているマリモが「阿寒湖で盗採されたもの」であるか「人工もの」であるかは、解剖すればすぐ分かります。
 現在、マリモは観光開発、森林の伐採などによる環境変化や湖水の富栄養化によって絶滅の危機にあります。

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