いきものログ

カンムリワシ

脊椎動物門   鳥綱   タカ目   タカ科
カンムリワシ Spilornis cheela perplexus
分布
沖縄県(八重山諸島)
ランク
絶滅危惧IA類(CR)
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 カンムリワシはその名のとおり、立派な冠羽を備えた熱帯性猛禽類です。インドからインドシナ、台湾、八重山諸島までと、南アジア一帯に広く分布しています。それぞれの地域で個体群ごとに21亜種に分類されていて、八重山諸島に生息する個体群は日本固有の亜種とされ、分布の北限にあたります。
 体は約55cmで、翼を広げた長さは90~ 120cmになります。頭部には長い冠羽を備え、黒色と白色のまだら模様で良く目立ちます。全身ほぼ褐色で白色の斑紋を散布しますが、腹面側はやや横縞状模様になります。尻尾の先端と中央には幅広い黒褐色の帯を備え、目の周囲と脚は鮮やかな黄色を帯びます。
 平地性の種類で、森林や湿地、草地などが混在する場所を好み、山岳部ではあまり見かけません。八重山諸島の石垣島、西表島では一年中見られ、樹木や電柱などに止まっている姿がよく目撃されます。食物は、カエル、トカゲ、ヘビ、カニなどの小動物や昆虫類です。繁殖は4~7月に行われ、1回の産卵で1卵しか産みません。抱卵はメスのみが行いオスは狩りに専念するとされていますが、観察事例が少なく生態はいまだに不明な点が多く残されています。
 現在は八重山諸島全体で約200羽の生息が確認されています。生息の確認された地点の多くは農村地域で、水田などの農村環境が採餌場所の中心と考えられています。近年は水田が放棄され減少する傾向にあります。また、産卵数が少ないことから繁殖力も低く、環境の変化がカンムリワシの維持に大きな影響を与える可能性があります。環境省では種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定し、1992年には西表島に国設西表島鳥獣保護区を設定するなどの保護対策を行っています。

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