いきものログ

ライチョウ

脊椎動物門   鳥綱   キジ目   ライチョウ科
ライチョウ Lagopus mutus japonicus
分布
本州(高山帯)
北半球の寒帯・亜寒帯域
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 ライチョウは世界的に北極圏に近い寒帯一帯に分布する、寒冷地に適応した鳥です。日本では本州中部の高山にのみ分布し、亜種ニホンライチョウとされています。他の亜種とは完全に隔離した分布をしていて、世界でもっとも南に分布するライチョウでもあります。日本の個体群は氷河期が去った後に本州中央部の高山帯に取り残された、遺存的な集団だと考えられています。1955年には国の特別天然記念物に指定されています。
 体は約37cm、体型はずんぐりしています。爪やくちばしは短いですが鋭く尖り、雪をかくのに適しています。体色は夏と冬で大きく異なり、夏羽は黒色、白色、茶色のまだら模様で、冬はほぼ全身真っ白に衣替えします。
 高山の標高2400m以上のハイマツ林帯や岩石帯に生息し、厳冬期は森林帯上部に降りてきます。おもな食物は植物の芽、液果(ベリー)類、種子などの植物質ですが、夏には昆虫などの動物質も食べます。繁殖期はつがいでなわばりをもち、ハイマツの根元などに営巣します。6月に5~7卵を産卵し、抱卵は約23日間です。かえったヒナはうぶ毛が乾くと、親と共に巣を離れます。夏の間は家族で行動しますが、冬になると群れになります。
 現在、ライチョウは北アルプスと南アルプス、その周辺の山岳に限って生息しています。かつては、中央アルプス、八ヶ岳、蓼科山、白山にも生息していましたが、すでにこれらの個体群は絶滅してしまいました。生息数は約3,000羽と推定されていますが、現在も場所によっては減少が続いています。観光開発によって生息地は減少、分断され、登山者や観光客の増加による生息環境の攪乱、ゴミの増加とこれにともなって天敵のキツネやカラスなどが増加しています。また、環境汚染による病気や寄生虫の増加も目立ち、ライチョウの生息環境は年々悪化の一途をたどっています。

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