トップページ > 調査に参加する > 調査詳細 > 対象種詳細 対象種詳細 ライチョウ 分類 キジ目 キジ科 生きものの特徴 全長(くちばしの先から尾羽の先まで)は約35~37cmです。体の羽毛は年3回換羽します(写真2)。つがい形成から抱卵期(春・初夏)、雄の顔・首・体の上面の羽毛は黒褐色、雌は黒褐色、橙黄色、白色の斑模様です。雌雄とも冬期は白く、晩夏から秋は灰褐色です。翼(風切羽)は年1回換羽で白色です(写真1)。時々ライチョウとホシガラスを間違える人がいます。ホシガラスはよく飛びますが、ライチョウは滅多に飛びません。飛んだときにライチョウの翼は白いですが、ホシガラスのそれは白くありません。 分布 本州中部の飛騨山脈(北アルプス)、赤石山脈(南アルプス)、御岳、頸城山塊の高山帯に生息。木曽山脈(中央アルプス)や八ヶ岳、白山では絶滅。ただし、白山では2009年以降、北アルプス由来の雌1羽の生息が確認されています。世界最南端の集団であり、氷河期の遺存種として、隔離分布しています。 生息状況 1960年代から1980年代にかけて全生息域で実施された調査で、生息数は約3,000羽と推定された。近年、南アルプス北部などで生息数の急激な減少が報告され、絶滅が危惧されている。現在、環境省及び長野県レッドリストで絶滅危惧IB類。 生息環境 ライチョウが生息する環境は本州中部の高山帯です。年間を通して高山帯に生息しますが、厳冬期(1〜3月)は森林限界以下の亜高山帯上部まで下ります。繁殖期(5〜6月)には、背の低いハイマツがパッチ状に分布し、その周りにガンコウランなどツツジ科の矮性低木が優占する風衝地を好んで利用します(写真4)。母子連れの時期(7月〜)には、風衝地のほかお花畑の雪田植生も利用します。 高山帯の生物多様性の危機 かつて、高山帯ではオーバーユースや開発による高山植生の荒廃、ゴミやペットの持込にともなう汚染などが問題にされていました。現在,それらにくわえ、ニホンジカの採食による高山植生の変化や生態系への影響が問題となっています.特に、南アルプスでは深刻であり、北アルプスの高山帯でもニホンジカが確認されつつあります。また、気候変動による影響(ライチョウや高山植生等の生息適域の縮小)も一部の高山帯で顕在化しつつあります。 自分のなわばりに雄が侵入したのに気づき、その雄を追い出すために鳴きながら飛び立った成鳥雄。 季節によって異なるライチョウの羽色 4羽のヒナをあたためる成鳥雌と孵化後間もないヒナ1羽。 ハイマツのまわりにあるガンコウランとそこで採食する成鳥雄 もどる