評価分科会名: 鳥類分科会
1. 判定対象種情報
| ⽬名 | アマツバメ目 | 科名 | アマツバメ科 |
|---|---|---|---|
| Order | Apodiformes | Family | Apodidae |
| 和名 | アマツバメ | ||
| 学名 | Apus pacificus kurodae (Domaniewski, 1933) | ||
2. カテゴリー判定: 絶滅危惧Ⅱ類(VU) 判定基準: A2
| 基準A: VU | 基準B: ― | 基準C: ― | 基準D: ― | 基準E: ― |
A2.過去10年間もしくは3世代のどちらか長い期間を通じて、30%以上の減少があったと推定され、その原因がなくなっていない、理解されていない、あるいは可逆的でない。 【比較年】 10年(世代時間不明) 【過去の状況】 全国鳥類繁殖分布調査の本州以南で1997-2002年にアマツバメが記録された現地調査コース数を使用。 【近年の状況】 全国鳥類繁殖分布調査の本州以南で2016-2021年にアマツバメが記録された現地調査コース数を使用。 99コースから53コースに減少していた。これらのコースで記録された個体数は1492羽から458羽に減少しており、減少率はより大きかったが、アンケート情報を含むメッシュ数では逆に増加していた。アンケート情報を含んだ値は努力量や情報量で変化するので、現地調査をより重く扱い、また、調査の間隔が10年より長いことから、30%以上50%未満とした。
3. 概要
アマツバメは本州以南に分布するアマツバメの一亜種である。日本には夏鳥として渡来し、高山や海岸の崖に営巣する。個体数は減少傾向にあり、飛翔性昆虫を採食するほかの種も多くが減少していることから、採食環境が悪化している可能性が考えられる。
4. 掲載種の情報
基礎情報
【形態】
全長17.9-20.5 cm、翼長170-195 mm、ふ蹠長10-13 mm、体重39-56 g。
雌雄同色で、全身黒く、腰と喉が白い。尾は長く、深い燕尾だが、閉じていることが多い。翼が鎌形になっているのが特徴である。
【生活史】
日本には、本州以南に夏鳥として渡来し、高山や海岸の崖に巣をつくる。希に橋などの人工物の隙間に営巣することがある。
【生息・生育環境】
高山や海岸の崖に営巣し、広範囲を移動して、空中で飛翔性昆虫を採食する。
| 生息・生育環境区分 | 【陸域_高標高地 中標高地 低標高地】岩壁・ガレ場(石灰岩地等),洞窟・地下浅層・地下水域 【陸域_海岸部】海崖・岩浜・岩礁(磯) |
|---|---|
| 国土地域区分 | (1)奥山自然地域,(5)沿岸域,(7)島嶼地域 |
【分布域】
本州以南の全国に分布し、島嶼部にも生息する。崖に営巣するため、海岸や高山に生息し、その周辺で飛びながら採食するのが観察される。
現在の生息・生育状況
【分布域の現況】
全国鳥類繁殖分布調査の結果によると、分布域に変化はなく、逆に広がっている傾向もあるが、現地調査によると、記録されるコース数が減少しており、また、記録された個体数も大きく減少していた。
【生息・生育地の現況】
営巣環境については、アマツバメが営巣する崖は、海岸の崖や高山の崖などで、人為的な活動の影響を受けたりはしていないと考えられる。また、内陸の土の崖は、植生遷移などで崖を好む鳥にとっての営巣条件が悪くなっているが、アマツバメが利用する崖は岩の崖であるため、そのような影響も小さいと考えられる。
採食環境については、全国鳥類繁殖分布調査では、近縁種のハリオアマツバメ、ヒメアマツバメ、そして、同様に飛翔性昆虫を採食するツバメ類の減少が報告されており、原因等詳細は不明だが、採食環境は悪くなっているものと推測される。
【個体数の現況】
全国鳥類繁殖分布調査の現地調査で記録された個体数は1990年代の1492羽から2010年代は458羽に大きく減少していた。ただし、本調査は、各調査地で1回しか調査をしておらず、また、アマツバメは群れで記録される種のため、記録される羽数のばらつきは大きくなる。多地点で調査し、また、確認地点数でみても減少しており、減少していることは確かだが、この個体数の減少率を議論する際には、以上の事情に留意する必要がある。
存続を脅かす要因
減少要因は明らかでないが、生息地の現況で述べたように、採食環境の影響が大きいのではないかと考えられる。
| 要因の区分 | (過去) | その他(食物となる昆虫の減少),不明 |
|---|---|---|
| (現在) | その他(食物となる昆虫の減少),不明 |
特記事項
特になし
旧レッドリストカテゴリーと掲載名
| 第4次 2020 | ― | ― | ― |
| 第4次 2019 | ― | ― | ― |
| 第4次 2018 | ― | ― | ― |
| 第4次 2017 | ― | ― | ― |
| 第4次 2015 | ― | ― | ― |
| 第4次 | ― | ― | ― |
| 第3次 | ― | ― | ― |
| 第2次 | ― | ― | ― |
| 第1次 | ― | ― | ― |
都道府県レッドリストデータブック掲載状況(令和6年度末時点)
【千葉県】最重要保護生物(A),【東京都(本土部)】情報不足(DD),【東京都(西多摩)】情報不足(DD),【東京都(伊豆諸島)】準絶滅危惧(NT),【石川県】情報不足(DD),【和歌山県】学術的重要(SI),【広島県】情報不足(DD),【山口県】準絶滅危惧(NT),【香川県】準絶滅危惧(NT),【大分県】準絶滅危惧(NT)
保護に係る法令指定状況(令和7年度末時点)
鳥獣保護管理法
5. 参考⽂献
日本鳥学会,2012.日本鳥類目録改訂第7版,pp. 438.日本鳥学会,東京. 植田睦之・植村慎吾,2021.自然環境保全基礎調査 全国鳥類繁殖分布調査報告 日本の鳥の今を描こう 2016-2021年.176pp. 鳥類繁殖分布調査会,東京.
6. アセスメントサマリー(Assessment summary)
Apus pacificus kurodae has been assessed for threatened wildlife of Japan Red List 5th edition. Apus pacificus kurodae is listed as VU under criteria A2.
A. Reduction in population size based on any of the following: 2. An observed, estimated, inferred or suspected population size reduction of ≥30% over the last 10 years or three generations, whichever is the longer, where the reduction or its causes may not have ceased OR may not be understood OR may not be reversible.
| Habitat types | 【Terrestrial/Freshwater area_High-altitude area, Mid-altitude area, Low-altitude area】Cliff/Talus area (e.g. limestone area), Cave/Shallow underground/Subterranean water body 【Terrestrial/Freshwater area_Beach】Sea Cliff/Rocky beach/Reef |
|---|---|
| Threat types | Other, Unknown |
| Law designation status for conservation | Wildlife Protection, Control, and Hunting Management Act. |
| 執筆者: | 植田睦之(バードリサーチ) |
| Author: | Mutsuyuki Ueta |
| 協力者: |
公開年月:2026年3月
©三木敏史
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