評価分科会名: 維管束植物分科会
1. 判定対象種情報
| ⽬名 | 被子植物門 | 科名 | ヤシ科 |
|---|---|---|---|
| Order | Angiospermae | Family | Arecaceae/Palmae |
| 和名 | ニッパヤシ | ||
| 学名 | Nypa fruticans | ||
2. カテゴリー判定: 絶滅危惧ⅠA類(CR) 判定基準: 基準E
10年間の絶滅確率が50%以上。
3. 掲載種の情報
基礎情報
【形態】
地上茎はなく、地際を這う太い根茎は二叉分枝し、葉を根生する。葉は硬く、高さ4–10 mになり、羽状複葉、太い葉柄に多数の小葉がつく。小葉は長さ1 m、幅2–7 cmで、線形または線状披針形、先端は鋭尖形、全縁、裏面には褐色の圧毛がある。雄花序は根茎から出て、上向きで長さ1 m、総状で多数の側枝があり、多数の花をつける。雌花序は球形の頭状花序で多くの苞につつまれて枝の頂につき、径約30 cm、多数の雌花を密集してつける。果実は多数の核果が集合した大型の集合果で、径30 cm以上になる。
【生活史】
常緑の小高木。雌雄同株。
【生息環境】
マングローブの後方の湿地に生え、密生する群落を作る。
【分布域】
琉球(西表島・内離島)、インド・マレーシア・ミクロネシア。
現在の生育状況
【生育地の現況】
2018年調査では1メッシュで数十個体の現存が推定された。基準EによりCRとした。
現地調査の集計結果 2018年調査
【「現存する株数」別のメッシュ数】
| <10 | <50 | <100 | <1000 | <10000 | >10000 | 合計 | 絶滅 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
【存続を脅かす要因上位3項目の件数】
| 1番目 | 2番目 | 3番目 | |
|---|---|---|---|
| 要因 | |||
| 件数 |
特記事項
特になし
旧レッドリストカテゴリーと掲載名
| 第4次 2020 | ニッパヤシ | Nypa fruticans | CR |
| 第4次 2019 | ニッパヤシ | Nypa fruticans | CR |
| 第4次 2018 | ニッパヤシ | Nypa fruticans | CR |
| 第4次 2017 | ニッパヤシ | Nypa fruticans | CR |
| 第4次 2015 | ニッパヤシ | Nypa fruticans | CR |
| 第4次 | ニッパヤシ | Nypa fruticans | CR |
| 第3次 | ニッパヤシ | Nypa fruticans | CR |
| 第2次 | ニッパヤシ | Nypa fruticans | VU |
| 第1次 | ― | ― | ― |
都道府県レッドリストデータブック掲載状況(令和4年度末時点)
沖縄県[絶滅危惧ⅠA類(CR)]
保護に係る法令指定状況(令和4年度末時点)
指定なし
4. 参考⽂献
大橋広好・門田祐一・邑田仁・米倉浩司・木原浩(編),2015.改訂新版日本の野生植物1.391pp., 272pls. 平凡社,東京. 沖縄県環境部自然保護課,2018.改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版(菌類編・植物編)―レッドデータおきなわ―.沖縄県環境部自然保護課,690pp.
5. アセスメントサマリー(Assessment summary)
Nypa fruticans has been assessed for threatened wildlife of Japan Red List 5th edition. Nypa fruticans is listed as CR under criteria E.
E. Quantitative analysis showing the probability of extinction in the wild is at least 50% within 10 years.
| Threat types | No Data |
|---|---|
| Law designation status for conservation | ― |
| 執筆者: | 日本植物分類学会 |
| Author: | Japanese Society for Plant Systematics |
公開年月:2025年3月