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カンムリウミスズメ

脊椎動物門   鳥綱   チドリ目   ウミスズメ科
カンムリウミスズメ Synthliboramphus wumizusume
分布
日本列島周辺
朝鮮南部の温暖域
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 カンムリウミスズメは小型の潜水性海鳥です。寒冷海域に分布するウミスズメ類としては珍しく、日本列島周辺や朝鮮半島南部に分布し、黒潮や対馬海流の影響を受けている温暖な海域に生息しています。さまざまな島嶼が繁殖地として知られていますが、未調査の部分が多く今後も新繁殖地が発見される可能性が高いと考えられています。1975年には国の天然記念物に指定されています。
 体長は約24cm、翼を広げた長さは約43cm、夏羽では頭部に約3~5cmの冠羽があり、尻尾は約3.5cmと短いです。体下面は白色、脇羽は黒色、体上面と脚は青灰色です。顔から首は黒色で、後頭部は白色です。冬羽では冠羽が短く、顔の黒色部分が薄くなります。
 3月下旬~4月上旬に、沖合の小島や岩礁の割れ目や穴などで営巣し、2卵を産みます。抱卵は30日程度で、オス・メス交互で行います。ヒナはふ化後1~2日程度で親と共に巣を離れ、海上に移動しますが、それまでの間親がヒナに餌を与えることはありません。海鳥類でこのような保育様式をもつことは、とても特異な例です。おもな食物は小魚、稚魚、動物性プランクトンの甲殻類などで、水中を上手に移動しながらこれらを捕食します。
 おもな繁殖地である伊豆諸島では、1940年代に食用として採卵され、50年代以降は繁殖地付近の海で流し刺し網にかかり数多く死亡しました。さらに60年代半ば以降は海釣りが盛んになり、営巣地が影響を受けて減少しました。個体数については不明な点が多く、大まかな推定では、伊豆諸島で1,000~2,000羽、日本列島で2,000~3,000羽、全体では5,000~10,000羽程度とされています。

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