いきものログ

イトウ

脊椎動物門   硬骨魚綱   サケ目   サケ科
イトウ Hucho perryi
分布
北海道
千島列島・サハリン、ロシア沿海州
ランク
絶滅危惧IB類(EN)
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 イトウは北海道、千島列島、サハリン、沿海州に生息するサケの仲間です。過去には青森県及び岩手県に分布していましたが、現在ではまったく見られません。日本に分布する最大の淡水魚として知られていています。
 体は1m以上になり、他のサケ科の魚より体高が低く頭は小型です。体の背面がオリーブ色、体側はやや赤味がかっており、頭部側面から背面と体側にかけて濃褐色の小斑点を散布します。写真のように、繁殖期になるとオスの体は鮮やかな茜色に変化します。
 平野部をゆっくりと蛇行する河川の中流~河口付近や湖沼を好んで生息します。3月の解氷後から活発に活動し、河川に沈む倒木や岩の陰に潜みます。4月~5月にかけて産卵し、2,000~10,000卵を産みます。稚魚はおもに水生昆虫を食物とし、30cmほどに成長すると魚食性が強くなります。成魚はほぼ魚食性でフクドジョウなどを主要な食物にします。オスは体が約55cm、メスは約60cmで成熟します。
 かつては東北地方北部にも生息し、極めて大型のものでは2mを超えるような個体が見られましたが、近年は1mを超えるものも珍しくなってしまいました。減少の原因は堰堤(えんてい)などの河川工作物によって移動が阻害される事や、河川改修のために蛇行する流れが減り、産卵場所や稚魚の隠れ場となる障害物が少なくなってしまった事が大きな要因です。生息地である北海道では、再導入実験のほか、生息地の保護区化や砂防ダムのスリット化による生息環境の保全が図られています。

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