いきものログ

ツツイイワヘゴ

シダ植物   オシダ科
ツツイイワヘゴ Dryopteris tsutsuiana
分布
福岡県・熊本県
ランク
絶滅危惧IA類(CR)
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 ツツイイワヘゴは沢沿いの林床に生育する常緑性のシダで、福岡県の2ヶ所、熊本県の1ヶ所のみで発見されている日本固有種ですが、2012年の調査では3ヶ所とも現存するという情報が得られませんでした。ツクシオオクジャクとイワヘゴの中間の性質を示す3倍体の植物で、狭い分布の範囲内で生じた種と推定されています。
 葉柄は長さ10~20cmで、葉柄から中軸にかけてやや密につく鱗片は黒褐色です。葉身は幅18~23cm、長さ40~70cmの倒披針形です。羽片は20~30対で三角状の線形で、長さ8~11cm、幅16~20mm、下面には微小な鱗片があります。包膜はほぼ全縁で、胞子嚢群は裂片の辺縁近くから中肋と辺縁の中間近くにまで広がります。
 タイプ標本(新たな学名記載を行うときに定められる、基準となる標本)の産地である福岡県の自生地の1ヶ所では、発見当時数十株の群落があることが確認されていましたが、現在では確認されていません。福岡県のもう1ヶ所の自生地でも1株が確認されていましたが、レッドデータブック作成のための調査では確認されていません。熊本県の自生地でも数個体が残るのみでしたが2012年の調査では確認されていません。自生地付近で林道建設、砂防ダム建設などが行われた影響で減少したほか、シカの食害も影響しているようです。

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