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ナガバノモウセンゴケ

被子植物   双子葉類   離弁花類   モウセンゴケ科
ナガバノモウセンゴケ Drosera anglica
分布
北海道・福島県・群馬県
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 ナガバノモウセンゴケは高層湿原に自生する食虫植物です。葉の上部には腺毛とよばれる、粘着物質を出す毛があり、小さな昆虫を捕らえます。虫がもがくとさらに粘液を出し、ちょうど手で何かを握るようにヘラ状の葉を丸めていきます。その後、長い時間かけ粘液で虫を溶かし、養分として消化します。
 ナガバノモウセンゴケは葉がヘラ状で長さ3~4cm、柄は5~10cmと、モウセンゴケに比べ大型です。葉の上部には長い腺毛があり、赤く目立ちます。7月から8月に、高さ10~20cmの花をつけるための花茎が伸びて、先端に数個の白い花をつけます。
 日本では、福島県、群馬県にかかる尾瀬ヶ原の湿原と北海道に自生が見られます。いずれの自生地でも、湿地の開発、踏みつけ、排水工事後の湿地の管理放棄が減少の主要因としてあげられます。北海道サロベツ原野では、国立公園特別保護地区内に自生地があります。保護地区内では、木道が整備され、採集が禁止されています。しかし、少し離れた場所で行われた泥炭採掘のために地下水位低下がおこり、ナガバノモウセンゴケは絶滅寸前に追い込まれています。湿地が維持されるためには、水環境が安定していなければなりません。湿地に生育する植物を保護するためには、水系全体を見渡した対策をとる必要があるでしょう。
 また最近、一部の食虫植物などの園芸愛好家により播種や移植が行われ、本来あるはずのない場所に生育する食虫植物の報告もあります。たとえこれらが善意による行為であっても、それぞれの種が地域ごとに持つ遺伝的特性を失わせていることになります。生物の多様性に関する正しい知識を身につけることが大切です。

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