いきものログ

キリノミタケ

盤菌綱   チャワンタケ目   クロチャワンタケ科
キリノミタケ Chorioactis geaster (Peck) Kupfer ex Eckblad
分布
奈良県、高知県、宮崎県
アメリカ(テキサス州)
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 キリノミタケはイチイガシの倒木上に現れる非常に珍しい腐朽菌です。子実体(しじつたい:普通「きのこ」とよばれる部分)は短い柄をもち、はじめは球形で、しだいにラグビーボールのような紡錘形になります。きのこの成長にともない頂部に切れ込みが入り4~7片の星形に開きます。高さ5~7cm、外側は黒褐色で、星状に開いた内側はオレンジ色です。
 このキリノミタケは1937年に宮崎県で1個体が見つかりました。しかし、その後は発見されず、再度見つかったのは同じ宮崎県で、最初の発見から36年間後の1973年でした。その後、高知県、奈良県でも見つかりましたが、宮崎県で1999年に確認された発生地は伐採や地域のダム開発などにともなう環境の変化により、絶滅が危惧されています。
 このキリノミタケは、地球上では、日本とアメリカのテキサス州オースティンでだけ発見されている分布的にも、生態的に特異な菌であり、学術上たいへん貴重です。そのため、周りの地域での分布を確認するための調査が必要でしょう。
 また、きのこの状態にならないものを含め「菌類」全体でも調査されていないものは数多くあります。生活の仕方もさまざまで、それにより形もさまざまです。さらに、陸生のもののほか、淡水生のものや海水生のものまであり、研究が進めば進むほどその種類は増加していきます。今までに菌類からも有用な薬が作られていることを考えると、まだ見つかっていない重要な菌類があることも否定はできません。

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