いきものログ

ウスキタンポセミタケ

核菌綱   ニクザキン目   バッカクキン科
ウスキタンポセミタケ Cordyceps pleuricapitata Kobayasi & Shimizu
分布
京都府、沖縄県
ランク
絶滅危惧II類(VU)
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 ウスキタンポセミタケは沖縄県の西表島等の限られた場所で見られる冬虫夏草の仲間です。本種は沖縄本島および先島諸島に生息するイワサキクサゼミ等から発生します。子実体(きのこ)は幼虫の口器や頭部、または胸部背面から生じ、高さは2~5cmで淡黄色をしています。名前は子実体の色と形に由来しており、分枝してタンポ(拓本を採るときに使う道具)の形をしています。5月から7月にかけて、オニヘゴやリュウビンタイなどのシダ植物が生育する常緑樹林内で発生します。
 「冬虫夏草」の名称は中国で起こり、冬は虫で動き回り、夏になると草に変わるという発想から与えられたものです。現在では昆虫やクモのほか、他の菌類や高等植物の果実に生じるものを含め、このグループの総称として用いられています。総称と同名のトウチュウカソウ(C. sinensis)という名の種もありますが、日本には分布しません。冬虫夏草は約80%の種が幼虫生(昆虫の幼虫につく冬虫夏草)です。これらは平均的に盛夏の6月から8月に発生が集中しますが、菌生虫草(菌につく冬虫夏草)のものでは、多くの種が秋期の9月から10月に集中します。
 冬虫夏草の発見はきわめて難しく、発生する可能性が高い場所(発生坪)で探したとしても、1時間に40~50cm程の間を探すという、非常に忍耐力のいる作業になります。また、寄生主が地中に埋まり、子実体(きのこ)だけが地表に出てくることの多い幼虫生の冬虫夏草は発生周期も長く、30年から50年に一度発生するという種類もあります。このように、発見が非常に困難な冬虫夏草の中には未だ発見されていない種もたくさんあるはずです。冬虫夏草の保護のためには生育環境の長期継続的な保護が必要といえます。

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