タガメ
節足動物門
昆虫綱
カメムシ目
コオイムシ科
タガメ
Kirkaldyia deyrolli


北海道~琉球諸島
ロシア極東地域・朝鮮半島・中国(台湾を含む)・東洋区

絶滅危惧II類(VU)

タガメは日本でもっとも大きい水生昆虫で、大きさは48~65mm、体は薄茶色をしています。強力な前脚を備えていて、足の先端は鋭いトゲ状になっています。この前脚を使ってカエルや小魚などを捕獲し、短く鋭い口から消化液を流し込み、液状化した肉を吸い取ります。腹部末端には短い管があり、これを水面からつきだして呼吸しています。タガメの体の基本的な構造はカメムシ類と共通ですが、カメムシ類のように強い異臭を放つことはなく、ほのかに甘い香りがします。メスは水上に突き出した植物に卵塊を産み付け、オスが卵の乾燥を防ぐため水中と卵塊を往復し、体の表面の水分でぬらしてこれを保護します。
タガメは昔から子供用の図鑑などで、里山の水生昆虫の代表として、よく取り扱われてきました。実際、1950年代までは都市近郊を含め、国内の大部分の地域でふつうに見られた昆虫でした。しかし、1980年頃までには大部分の水田やため池からその姿を消し、各地から地域的な絶滅が伝えられました。
タガメは農薬などの汚染にとても敏感で、非常に微量の濃度でも成長を阻害されるか、死んでしまいます。このため、農家が大量に農薬を使い始めた頃から、その数を急激に減らしました。それでも丘陵地のため池では水はけが良いせいか、本種の生息のよりどころとなっていました。しかし、近年のゴルフ場などの乱開発が、これらの生息地も次々と破壊し、芝生の除草剤などが汚染を進め危機的な状況にあります。
タガメは昔から子供用の図鑑などで、里山の水生昆虫の代表として、よく取り扱われてきました。実際、1950年代までは都市近郊を含め、国内の大部分の地域でふつうに見られた昆虫でした。しかし、1980年頃までには大部分の水田やため池からその姿を消し、各地から地域的な絶滅が伝えられました。
タガメは農薬などの汚染にとても敏感で、非常に微量の濃度でも成長を阻害されるか、死んでしまいます。このため、農家が大量に農薬を使い始めた頃から、その数を急激に減らしました。それでも丘陵地のため池では水はけが良いせいか、本種の生息のよりどころとなっていました。しかし、近年のゴルフ場などの乱開発が、これらの生息地も次々と破壊し、芝生の除草剤などが汚染を進め危機的な状況にあります。
